<< スーチー女史のエッセイ | main | やっと、ブログ更新です。 >>

「沈黙博物館」と日常について

年末にはじめて市民図書館で本を借りた。夫が長谷川龍生の詩集をまた読み直してみるというので、とりあえず借りて、と、青森駅へ出掛けたついでに近くの市民図書館へ。まったく見当たらない。どうも在りそうな気配さえない。
そんな中、私は、近頃、特に魅かれて読んでいる小川洋子の作品を見つけた。丁度、この次に読もうとしていた作品「沈黙博物館」。
中心的な登場人物は、人間の存在を超越した博物館をつくるという村の老婆とその博物館を作り上げるために雇われた専門家の技師、何の変哲もないと思われるごみ箱の腐った野菜屑にさえ、奇跡的な生の痕跡を見い出す、この世の営みを根底から包み込むような博物館。それは、村で亡くなる全ての人々の形見を陳列する博物館なのです。・・・老婆が求める形見とは、一度やニ度袖を通した着物やタンスに仕舞いぱなしの宝石とかではなくて、その肉体が間違いなく存在したという証拠を最も生々しく、忠実に記憶する品・・・・・・、金銭的価値など論外じゃ、・・・・と。
私がもしこの村に暮らしているとしたら、私の最も生の痕跡を残す「もの」とは、いったい、何になるのだろう・・・。

妙に説得力をもって私に迫って来ました。小川洋子の作品は、あくまでも幻想の物語ですが、人間の内面に深く入り込むリアリティーを感じるのです。

で、この長編をやっと読了し、久し振りに青森市安方にあるカフェバーへランチを食べに友人と出掛けることに。休んでいる場合もあるので、電話で数日前に連絡をしていました。ところが、シャッターが降りている。携帯電話も留守のまま。馴染みの喫茶店「マロン」へ変更し、友人と近況を語らうこと、数時間。夕方、マスターから私の携帯に連絡が入る。実は、友人の奥さんがクモ膜下出血で急に亡くなったという。マスターは、少し動揺してるようでした。
現実の物語は、私たちの身近な日常にリアルに存在しているようです。
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM