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未読・石牟礼道子「苦海浄土」

2月10日 石牟礼道子さん(90歳)が亡くなった。私の誕生日からちょうど5日後、それは何の関係も無いのだけれども、いまだに「苦海浄土」を読まずにいることにはっと気づいている。

昨年12月に朗読会で取り上げた「ハーメルンの笛吹き男」、この作品を調べていたら阿部勤也/著「ハーメルンの笛吹き男 伝説とその世界」に辿りつき、文庫の解説は石牟礼道子さんで、それは書き出しから印象深かった。

・・・ブリューゲルやヒエロニムス・ボッスの世界を、ながい間ながめて思っていたことだった。十五・六世紀ごろ教会の祭壇画として描かれこれらの絵は、なんという世界を表出していることだろう。これほど醒めた目で、寓意と暗喩と呪符をしのばせた世界を丸ごと描いた画家はその後出てこない。ことにボッスの、ほとんど世界の虚無とでも名づけられそうな透視力のあるまなざしは、どのような人間たちの肉声と身悶えに接していたのだろうか。・・・・

 

阿部勤也が調べ上げたハーメルンの笛吹き男にまつわる中世の下層の民の歴史、そして、この解説を読んでいらい、ブリューゲルやボッスの絵は、その面白さだけではなく人間の社会の奥深く刷り込まれた遍歴の傷痕の息遣いが感じられ、中世から今の社会にもその傷痕は別な形で繋がっているのだという実感を抱いている。

 

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